agriculture

イネや稲作に関して弥生時代は縄文時代の延長線上にある。

2024年1月26日 金曜日 雪

佐藤洋一郎 稲の日本史 角川選書 平成14年(2002年)

佐藤洋一郎 イネの歴史 京都大学学術出版会 2008年

 ・・弥生時代のイネが、熱帯ジャポニカを多く含むこと、また稲作も休耕を伴うなど縄文以来の伝統を色濃く受け継いだスタイルをとっていたことを示している。つまりイネも稲作も、縄文時代と弥生時代間には、以前考えられていたほどの大きな断絶があるようにはみえない。むしろ弥生時代がイネや稲作に関しては縄文時代の延長線上にあるともみえるということを強調しておきたい。(佐藤洋一郎、『稲の日本史』、p112)

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 窒素と炭素の同位体比からみた弥生時代の食料

 ・・その結果、弥生人たちの骨に含まれる同位体比の値は、米を主食とする人びとのそれとは遠く、かえってさまざまな海の動植物を食べていた縄文人のそれにきわめて近かったというのである。もし弥生時代に入って食生活ががらっと変わり、それまでの「縄文食」から米中心の食に転換したとするなら、その骨に含まれる安定同位体の比率もまた、米の安定同位対比、ないしは米中心の食事をとっていた人びとのそれに近似してこなければならない。そしてこの事実は、弥生時代が、その食に関していうならば縄文時代と大きな断絶をもって区別されなかった可能性を示唆しているのである。(佐藤洋一郎、『稲の日本史』、p115-116)

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