2016年4月2日 土曜日 曇り
大村平 人工知能のはなし AI、ファジィ、ニューロ、ロボット・・・ 日科技連 1992年
AI Artificial Intelligence
今後、人工知能が進歩するにつれて私たちが享受する支援は質的に大きく変化することでしょう。 そのとき忘れてはならないのが、人工知能の短所や限界です。・・カオス理論では、ごく小さな誤差がとんでもなく大きい齟齬を生む可能性が指摘されていますが、人工知能にもその危険性が潜んでいます。座学だけに頼って演算手順を習得した人工知能は、1つの手順が狂っただけで、とんでもない答えを出す危険性を完全には防止しきれないのです。・・いつも常識的でマクロな判断を持ちながら人工知能を利用する心構えを忘れてはなりません。同時に、人間社会としても、人工知能を人類の幸福のため安全に使いこなす体制作りに配慮する必要があるでしょう。 ともあれ、各国で研究されている人工知能がそれぞれの文化を背景に成長し、人工知能が異文化の仲立ちをしてくれる日を夢みながら、・・・以下、略・・・(大村、同書、p234)
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補注 大村さんの数学本は分かりやすく丁寧な入門書で、それぞれ超ロングセラー。この「人工知能のはなし」は1992年の出版であるから、かれこれ25年ほども昔に書かれたものである。
さすがにこの25年の技術的な進歩は大きく、この大村本だけでこと足れりという状況ではないのであろうことは、門外漢の私にも容易に想像される。従って、いずれ機会を見つけて新しい人工知能の話を読んでおきたいと思う。ただし、新しい本も、この大村さんの入門書のように部外者にもわかりやすく本質を易しく教えてくれるような本であって欲しいものだ。
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