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地方色の消失:コマーシャリズムや消費文化のなかで、地方は画一化。

2021年2月27日 土曜日 曇り

渡辺京二 無名の人生 文藝春秋 2014年

・・この地方的特色というのは、つくろうと思ってつくれるものではありません。いつの間にか自然に残るもの、というか、そこに住む人びと日々つくりだすものなのです。コマーシャリズムや消費文化のなかで画一化されてしまった地方が、以前のような特色をとり戻すには、どうすればいいのか。

とはいえ、私は、「村おこし」とか「町おこし」という言葉はどうも好きになれません。この言葉には、全国的な消費文化のなかの一環に取り入れてもらいたい、という魂胆が透けて見えるからです。そうではなくて、日々そこに暮らし、流行に左右されない自分たちの感覚を自然体で生かしてゆく。そうすれば、地域の特色というのも、おのずと形づくられるものでしょう。そのためには、生物学でいう「ニッチ」ーー生態的地位は、たくさんあるほうがいい。わかりやすく言うなら、その地方が生きていくための食い扶持は、多種多様なほうがいいということです。(渡辺、同書、p146-147)

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