agriculture

農業・農村の持つ多様な可能性:癒やし・教え・共生の力

相馬暁 2020年農業が輝く 北海道新聞社 2004年

2015年8月15日 晴れ 終戦・敗戦記念日の今日は、相馬暁(さとる)さんの農業本を再読。

これからの農業・農村を考える時、その対象範囲を単に農産物を作ること(生産の場)だけに絞ることは間違いである。農業を核とした地域産業の1・2・3産業化(地域振興の場)や農業・農村の多面的機能を活用した滞在型・体験型観光の振興により若者の働く場(生活の場)を確保することなどを強力に推し進めること。そしてその前提として、環境を壊さない、環境を汚染しない、環境と調和のとれた進化型クリーン(環境保全型)農業を基本に据えることである。
一方、多様な農業形態、営農形態を認め、1)経営者としての農家 2)生業としての農家 3)自然と調和のとれた生活を追い求めるライフスタイルとしての農家 4)その変形としての定年帰農に代表されるような農家など、百通り二百通りの農業の形があっても良いではないか。
規模拡大だけが正義ではない。家族経営の農家だけが農業の担い手ではない。家庭菜園の延長線上の趣味農業があってもいい。子育ての期間のみ農村で、育児と農業に携わる生き方、ファームステイ型の農家がいても良いはずだ。
農村にそんな多様な農業の担い手を認める度量を求めたい。よそ者を排除し、自分たちだけの世界を作るならば、間違いなく農村の活力は衰退し、十年も待たず空き家だらけの地域崩壊を招くだろう。(相馬、同書、p216)

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