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ゼロから学ぶ相対性理論

2016年7月3日 日曜日 曇り

竹内薫 ゼロから学ぶ相対性理論 講談社 2001年

ふつうのピタゴラスの定理からはじまって、特殊相対論では、符号が変わって、さらに、一般相対論では、係数が定数ではなく関数になってしまう。そお関数の格好によって、時空の曲がり具合が決まる。この関数部分のことを「計量(けいりょう)」といいます。時空のモノサシが時空の各点によってちがう。それが、時空が曲がっている、ということなのです。・・・(中略)・・・一般相対性理論は、この計量からはじめて、「アインシュタイン方程式」という微分方程式を解くことによって、計算ができる仕組みになっているのだ。・・さらに勉強を続けたい人は、どうか、微分方程式やテンソル解析を学んでみて下さい。(竹内、同書、p191)

出発点を点からひもに変えただけで、物理学界に大激震が走ったのである。なぜかといえば、1次元のひもを特殊相対論と量子力学と矛盾しないようにあつかうと、そこから「重力子(graviton)」らしきものが理論的にでてきたからである。・・この図式の驚くべき点は、点粒子から出発したのでは、3つの力は説明できても、重力を取り入れることができなかったのに、ひもから出発すれば、自動的に一般相対論が含まれてしまうことだ。  そう、重力を含める努力などしなくても、自動的に重力がでてくるのだ。 これは、実際に数式を追ってみると、まるで、「魔法」のように感じる。(竹内、同書、p194)

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アインシュタインの相対性理論は、「間主観的(intersubjective)」な理論なのである。
インターサブジェクティブとは、主義と主義の「間」を意味する。・・・(中略)・・・一見、バラバラなような相対論の主張にも、互いを理解しあうための重要な「関係」がある。それがローレンツ変換なのである。・・・(中略)・・・
われわれはひたすら
「**からみたら世界はこうみえる」
「##からみたら世界はこうみえる」
「$$からみたら世界はこうみえる」と、相対的な世界観を列挙して、ローレンツ変換によって、そのあいだの関係を理解することしかできない。(竹内、同書、p163-165)

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